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2025.04.18

目次

  1. 1. 霜降りばかりじゃない。いま、赤身に注目が集まっています
    1. 1-1. 昔ながらの「霜降り信仰」に変化が出てきた理由
    2. 1-2. 食の好みが多様化し、赤身を選ぶ人が増えている
    3. 1-3. ヘルシー志向とも相性がいい「赤身」の魅力
  2. 2. 経産牛とは──役目を終えた牛の、もう一つの物語
    1. 2-1. 経産牛ってどんな牛?わかりやすくご紹介
    2. 2-2. 繁殖を終えた牛が、食肉として生まれ変わるまで
    3. 2-3. 昔のイメージとは違う、丁寧に育てた“いまの経産牛”
    4. 2-4. 1129が扱う経産牛は、信頼する牧場だけ
  3. 3. 経産牛ならではの、深い旨みと味わい
    1. 3-1. 赤身に凝縮された、じんわり広がるおいしさ
    2. 3-2. 脂控えめで軽やか。それでも物足りなさを感じない理由
    3. 3-3. ステーキで食べるとよくわかる、噛むたびに広がる旨み
  4. 4. 食べることで、未来につながる選択を
    1. 4-1. 廃棄を減らし、命を大切に活かすという考え方
    2. 4-2. サステナブルであることは、おいしさの価値にもつながる
    3. 4-3. おいしく、やさしく、食べることに向き合う一歩として
  5. 5. 最後に──経産牛を、もっと身近に感じてほしいから
    1. 5-1. ちょっと気になったら、ぜひ一度食べてみてください
    2. 5-2. 霜降りとは違う、“新しいおいしさ”との出会い
    3. 5-3. 赤身の良さに、きっと気づいてもらえるはずです

1. 霜降りばかりじゃない。いま、赤身に注目が集まっています

1-1. 昔ながらの「霜降り信仰」に変化が出てきた理由

かつては、霜降り=高級、というイメージが根強くありました。脂の入り具合が評価の指標となり、柔らかくてとろけるような食感こそが“おいしさ”の象徴とされてきたのです。しかし、最近ではその価値観に変化が現れています。脂の多さよりも、肉本来の旨味に注目する声が増え、「しっかり噛みしめて味わえる肉」が見直され始めています。

1-2. 食の好みが多様化し、赤身を選ぶ人が増えている

ライフスタイルや食の志向が多様化する中で、「脂の少ない肉が好き」「肉の味をしっかり感じたい」という方が増えています。霜降り一辺倒だった時代から、赤身肉をあえて選ぶ層が広がりつつある今、飲食店でも赤身を主役にしたメニューが増加。赤身の持つ力強い味わいが、再評価されています。

1-3. ヘルシー志向とも相性がいい「赤身」の魅力

赤身肉は、脂質が少なくたんぱく質が豊富。健康志向の高まりとともに、「おいしくて体にもやさしい」食材として注目されています。特に黒毛和牛の経産牛からとれる赤身は、ただヘルシーなだけではなく、じんわりと広がる旨味が魅力。赤身=淡白というイメージを覆す、おいしさがあります。

2. 経産牛とは──役目を終えた牛の、もう一つの物語

2-1. 経産牛ってどんな牛?わかりやすくご紹介

経産牛(けいさんぎゅう)とは、出産を経験した雌牛のことを指します。一般的に、繁殖用として数年間飼育されたのち、役目を終えてから食肉として再肥育されるケースが多くあります。未経産牛に比べると、赤身の比率が高く、深い旨味を持つのが特徴です。

2-2. 繁殖を終えた牛が、食肉として生まれ変わるまで

経産牛は出産と授乳を繰り返すことで一度痩せた状態になりますが、そこから時間をかけて再び肉牛として整えていく「再肥育」というプロセスを経ます。再肥育では、栄養価の高い餌やストレスの少ない環境が重要。丁寧に育て直すことで、硬さやクセを感じさせない、おいしい赤身肉に仕上がります。

2-3. 昔のイメージとは違う、丁寧に育てた“いまの経産牛”

「経産牛は硬い」「おいしくない」というのは、もはや過去の話。飼育方法や再肥育の工夫によって、肉質は格段に向上しています。特に黒毛和牛の経産牛は、赤身にしっかりとした旨味と深みがあり、霜降りとは違う“もうひとつのおいしさ”として注目を集めています。

2-4. 1129が扱う経産牛は、信頼する牧場だけ

1129では、すべての経産牛を扱っているわけではありません。鹿児島市郡山町にある末吉畜産さんをはじめとした、ごく限られた数の牧場にのみ経産牛の再肥育をお願いしています。特に、炊きエサを与えて上手に仕上げるノウハウを持っているかどうかを重視し、オーナーの大隣さん自らが確認した牧場に限定して仕入れを行っています。

経産牛は一度痩せた体から再び肉牛として整える必要があるため、再肥育には高い技術が求められます。そこで1129では、畜産の名手として知られる末吉さんとタッグを組み、味と品質に妥協のない経産牛を届ける体制を構築してきました。

そのため、私たちが提供する経産牛は“ただの再肥育牛”ではありません。しっかりと育て直し、赤身の旨味が最大限に引き出された、特別な黒毛和牛の経産牛です。他と同じではない、ひと味違うおいしさを感じていただけるはずです。

3. 経産牛ならではの、深い旨みと味わい

3-1. 赤身に凝縮された、じんわり広がるおいしさ

経産牛の魅力は、何といっても赤身に詰まった“凝縮された旨み”。脂に頼らない分、噛むほどに味がじわっと広がり、しっかりとした満足感があります。脂の軽さと引き換えに、肉そのものの奥行きや滋味が際立つ──そんな“噛む喜び”が、経産牛の赤身にはあります。霜降り肉では得られない、味わい深いひと皿として多くの料理人が注目しています。

3-2. 脂控えめで軽やか。それでも物足りなさを感じない理由

脂が少ない肉というと、「淡白」「硬い」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、現代の経産牛は違います。手間ひまかけた再肥育によって、肉質はしなやかに整えられ、赤身はやわらかく、食べやすい状態に。噛みしめたときの満足感と、後味の軽やかさ。そのバランスの良さこそが、経産牛の赤身の大きな魅力です。

3-3. ステーキで食べるとよくわかる、噛むたびに広がる旨み

調理法で迷ったら、まずはステーキで。赤身のよさを一番ストレートに感じられるのが、ステーキです。焼き上げた断面から立ち上る香ばしさと、ナイフを入れた瞬間のしっとりとした質感。ひと口頬張れば、シンプルな味付けでも驚くほどの“旨み”が口の中に広がります。脂のしつこさがないぶん、最後のひと切れまで飽きずに楽しめるのも嬉しいポイントです。

4. 食べることで、未来につながる選択を

4-1. 廃棄を減らし、命を大切に活かすという考え方

経産牛は、かつて繁殖を終えた“役目を終えた牛”として、十分な価値を見出されないまま食肉として流通していた時代がありました。中には、使い道が限られ廃棄されることさえあったと言われています。しかし今では、その命にもう一度光をあて、丁寧に再肥育して価値ある食材として届ける取り組みが広がっています。経産牛を選ぶということは、単なる「おいしい選択」だけでなく、「命をきちんといただく」という姿勢でもあるのです。

4-2. サステナブルであることは、おいしさの価値にもつながる

近年、どの産業でも「持続可能性」が求められるようになりました。畜産業も例外ではありません。経産牛の活用は、無駄なく資源を使い、環境負荷を抑えるというサステナブルな取り組みの一環でもあります。そこに加えて、“味”としても高い評価を得られるようになってきた今、経産牛は“おいしさ”と“やさしさ”のどちらも備えた食材として注目されています。

4-3. おいしく、やさしく、食べることに向き合う一歩として

何を食べるかは、私たちの価値観を映す選択でもあります。単なる好みや価格だけでなく、「どう育てられたか」「どんな背景があるか」を知ったうえで選ぶ──そんな食との向き合い方が、今の時代に合った“豊かさ”なのかもしれません。経産牛は、おいしさと向き合いながら、命や環境にも配慮した選択肢。毎日の食卓に、小さなやさしさを取り入れるきっかけになるはずです。

5. 最後に──経産牛を、もっと身近に感じてほしいから

5-1. ちょっと気になったら、ぜひ一度食べてみてください

「経産牛」と聞くと、まだまだ一般にはなじみのない言葉かもしれません。でも、赤身肉が好きな方や、おいしいステーキを探している方には、きっと響く何かがあるはずです。もし少しでも気になったなら、まずは一度、経産牛の赤身ステーキを試してみてください。新しいおいしさとの出会いが、きっとあります。

5-2. 霜降りとは違う、“新しいおいしさ”との出会い

霜降りのやわらかさや甘みとはまた違った、噛みごたえと深みのある赤身肉の魅力。経産牛はその代表格です。しっかりと再肥育された黒毛和牛の経産牛は、まさに“赤身の実力者”。シンプルな調理法でもその実力は際立ち、食べた人の記憶に残る一皿になります。

5-3. 赤身の良さに、きっと気づいてもらえるはずです

「赤身って、こんなにおいしかったんだ」と気づくきっかけに、経産牛がなってくれたらうれしい──それがこの記事の願いです。脂に頼らず、牛肉本来の旨みを届けてくれる存在として、経産牛の赤身は今、注目されはじめています。これまで霜降り一択だった方にこそ、一度試してみてほしい。そしてその一皿が、新しいおいしさへの入り口になることを願っています。