いまや「Wagyu」という言葉は、世界中で通じるブランドになりました。とろけるような霜降り、濃厚な脂の甘み――その魅力は多くの美食家たちを虜にしています。しかし、そんな和牛の世界にも、まだ広く知られていない“もう一つの存在”があることをご存じでしょうか?
それが、黒毛和牛の経産牛(Keisan-Gyu)です。霜降りの華やかさこそないものの、肉本来の旨みを凝縮した赤身の奥深い味わいは、一度口にすれば忘れられない特別な体験をもたらします。
今、世界はヘルシー志向やサステナブルな食文化の高まりとともに、“脂の多さ”より“肉そのものの旨み”に目を向けはじめています。そんな時代の流れの中で、長年見過ごされてきた経産牛の価値が、静かに、しかし確実に再評価されつつあるのです。
「Wagyuは知っていても、“Keisan-Gyu”はまだ知らない。」
この未体験の価値が、これからのWagyuの新定番となるかもしれません。
「Keisan-Gyu(経産牛)」とは、出産を経験した黒毛和牛のことを指します。多くの人が知るWagyuは、若い未経産牛が中心ですが、経産牛は繁殖という大切な役目を終えた後も、丁寧に育て直すことで新たな価値を生み出す特別な存在です。
これまで食肉としては見過ごされがちだった経産牛。しかし、手間を惜しまず再肥育することで、若い牛にはない“成熟した赤身の旨み”が引き出されることがわかってきました。それはまるで、時を重ねたワインのように、深みと奥行きのある味わいです。
経産牛は、出産という一大仕事を終え、体力を消耗した状態で再び肉牛としての道を歩み始めます。母牛はもともとヘルシーな草を中心に育ち、体は引き締まり脂肪も少ない状態です。そこから肉牛としてふたたび育て直すには、非常に繊細で高い技術が求められます。
1129では、この難しい再肥育において、特別なこだわりを持っています。それが、手間のかかる伝統的な「炊きエサ」を与えること。国産の米ぬかや大豆、大麦、ふすまを独自にブレンドし、丁寧に炊き上げた消化の良いエサは、牛に負担をかけず、じっくりと旨みの詰まった赤身を育て上げます。
こうして大切に育て直された経産牛は、赤身の旨味がしっかりと濃く、噛むほどにその深い味わいが広がる特別な肉質に仕上がります。一般に流通する肉牛や通常の経産牛とは一線を画す──それが1129が届ける“Keisan-Gyu”の誇りです。
霜降り肉のような脂の甘みは控えめですが、その代わりに得られるのは、赤身肉ならではの濃密な旨みと芳醇な香り。特にシンプルに塩だけで焼き上げたステーキでは、そのポテンシャルが存分に発揮されます。
一口食べれば、口の中に広がるのは力強い肉本来の旨み。そして、噛みしめるほどにじわじわとあふれる奥深い味わい。これこそが、世界がまだ知らない“Keisan-Gyu”の真価です。
これまでの「良い肉」の基準は、脂の多さや霜降りの美しさにありました。しかし、今、世界的にその価値観が大きく変わりつつあります。健康志向の高まりやサステナブルな食文化への関心が強まる中で、「脂より旨み」「肉本来の味わい」を求める人々が増えてきています。
赤身ブームはまさにその象徴です。肉の奥深い味わいを噛みしめて楽しむ──そんな本質的な“肉のおいしさ”が、改めて世界で注目されています。そしてこの流れの中で、“Keisan-Gyu”はまさに時代が求める新たな選択肢と言えるでしょう。
若い牛では得られない、成熟した肉だからこそ感じられる“熟成された旨み”があります。経産牛は、長い年月をかけて体内に蓄えられた栄養と経験が、肉そのものに深い味わいを与えています。これはいわば、自然の中で育まれた“生体熟成”です。
さらに、1129では再肥育に伝統的な「炊きエサ」を用いることで、その旨みを最大限に引き出します。柔らかな赤身に、凝縮された旨みとコク。これこそが、“Keisan-Gyu”でしか味わえない特別な体験です。
もう一つ、“Keisan-Gyu”が世界に受け入れられる大きな理由は、その背景にあるサステナブルな価値観です。役目を終えた牛に、もう一度光をあて、命を余すところなく活かす。この考え方は、いま世界中で広がる「サステナブル消費」の潮流とぴったり重なります。
ただおいしいだけではなく、環境にも命にもやさしい。その背景を知ることで、“Keisan-Gyu”はさらに特別な一皿となり、人々の心に強く響くのです。
1129を率いる大隣氏は、「本当においしい肉とは何か?」という問いに長年向き合ってきました。脂に頼る霜降りではなく、肉そのものの旨みを最大限に引き出す赤身の魅力。その理想を体現できるのが、経産牛の可能性でした。
しかし、経産牛をただ育て直せばおいしくなるわけではありません。そこには確かな技術と経験が必要です。だからこそ大隣氏は、再肥育の名手・末吉氏に全幅の信頼を寄せ、その技術に未来を託しています。
末吉氏が行う再肥育は、一般的なものとは一線を画します。手間ひまを惜しまず、一頭一頭の状態に合わせた最適な飼育を行い、国産の米ぬか・大豆・大麦・ふすまを独自にブレンドした「炊きエサ」を与えています。
この伝統的な「炊きエサ」は、牛の消化にやさしく、じっくりと体に旨みを蓄えることができます。だからこそ、経産牛でありながら、赤身に濃厚な旨みと柔らかさを両立させることができるのです。
肥沃な大地と美しい水に恵まれた鹿児島。この環境が、黒毛和牛の経産牛を最高品質に育て上げる土台となっています。温暖な気候と清らかな水は、牛にとってストレスの少ない理想的な環境です。
そして何より、人の手。鹿児島には、代々受け継がれる畜産の知恵と、誇りを持って牛と向き合う職人たちがいます。だからこそ生まれる、世界に誇れる“Keisan-Gyu”。この特別な味わいを、鹿児島から世界中の美食家たちへ届けていきます。
今、世界中の食のトレンドは確実に“赤身の時代”へと移り変わっています。しかし、まだその先にある“黒毛和牛の経産牛”という価値は、多くの人に知られていません。脂に頼らず、肉本来の旨みで勝負する──それが、これからの新しいWagyuのスタンダードになる可能性を秘めています。
あなたが知っているWagyuは、ほんの一部かもしれません。これまで語られてこなかった“Keisan-Gyu”の物語は、世界中の食卓にまだ届けられていない新しい感動を秘めています。今、この価値に気づいた人から、新たなトレンドの担い手となり、和牛の新しいスタンダードを世界へ広げる存在になれるのです。
まだ多くの人が知らない“Keisan-Gyu”という選択肢。だからこそ、今体験することに大きな意味があります。食の未来を見据え、命を大切にする新しい価値観に触れ、自信をもってその魅力を語れる存在になる──それは、ただのグルメではなく、未来をつくる一歩になるかもしれません。
あなたもぜひ、このまだ世界が気づいていない特別な一皿に出会い、次のWagyuトレンドの証人となってみませんか?